筋肉痛について

皆さんがよく言う、運動の1日から2日後に起こる筋肉痛を「遅発性筋痛」と言います。

 

以前、よく言われていたのは、疲労物質の乳酸が筋肉への酸素供給を阻害し痛み物質が発生、

 

それにより鈍痛が起こるというものでしたが、血中の乳酸値が運動後比較的早下がってしまうので

 

痛みが出るときには、もう血中にないということなどの矛盾があります。

 

もう1つ 下り坂を走る、重い荷物を降ろすなど、筋が伸張性収縮を繰り返すと

 

強い筋肉痛が起こります。

 

筋の微細な損傷に伴う炎症反応によるもので、この際に発生した発痛物質が筋膜を刺激します。

 

このときクレアチンキナーゼな筋の損傷をあらわす酵素が、血中に現れることからも

 

この説は定説とされています。

 

しかし、筋損傷に至らない程度の運動でも筋肉痛が起きたり

 

圧迫や動作によってのみ痛みが起こり、持続痛でない場合など説明がつかない事もあります。

 

最近ラットの後肢筋に針で圧迫を加え、どのくらい強く押した時にラットが脚を引っ込める反応を示すかで

 

筋肉痛を数値化するモデルを用いて、興味深い研究結果を続々と報告している研究グループがいます。

 

この結果、確かにエキセントリック運動で筋肉痛が起こることわかりましたが、

 

筋肉痛を示した動物の筋を調べると、筋繊維の損傷も、炎症反応も起こっていない場合が多く見られました。

 

その代わり、ブラジキニン(発痛物質の一種)、神経成長因子(NGF)などの発現増加が見られ、

 

特にNGFの抗体を与えて、その働きをブロックすると、

 

筋肉痛の発生が抑えられることなども分かったようです。

 

 

これら結果に基づいて、次のような仮説を提唱されています。

 

  1. 伸張性収縮によって筋繊維からATPやアデノシンなどが漏出し、これらが血管内皮細胞からBKを分泌させる
  2. BKは筋繊維に働き、筋繊維からNGFを分泌させる。
  3. NGFは筋内の機械刺激受容器(圧受容器)に働き、その感度を上昇させる。
  4. その結果、通常では圧受容器を刺激しないような軽度の圧迫や筋収縮にも圧受容器が過敏に反応し、痛みが生じる。

この仮説が正しければ、筋肉痛と筋損傷・炎症には直接的な関係はないということになります。

 

色々なパターンの筋肉痛があるということかも知れません。

 

 

 

加齢による筋肉痛の遅れについては、負荷が強い運動の方が筋肉痛が遅れてくるという説があり、

 

若者だと低負荷なものが、老齢だと高負荷となり遅れてくるとも言われておりますが、

 

実際はよく分かっておりません。

 

筋損傷は老齢の方が大きくなるのは間違いないとは思いますが、

 

筋損傷と筋肉痛の度合いには関連がないとの実験結果もあります。